投稿日2026/09/22
更新日2026/09/23
- AI駆動開発
- システム開発
AI駆動開発とは?従来開発との違い・メリット・開発会社の選び方をわかりやすく解説
Claude Code や Cursor のようなAIコーディングエージェントの登場で、「AI駆動開発」という言葉を目にする機会が急に増えました。しかし、発注する側にとって本当に重要なのは「AIがコードを書く」ことそのものではありません。
重要なのは、AIによって「まず動くものを作り、触って、直す」という進め方が現実的なコストで可能になったことです。この記事では、AI駆動開発とは何か、従来の開発と何が変わるのか、そしてAI駆動開発を掲げる会社をどう見極めるかを、発注者の視点で整理します。
AI駆動開発とは
AI駆動開発(AI-Driven Development)とは、要件整理・設計・コーディング・テスト・ドキュメント作成といったシステム開発の各工程に、生成AIやAIコーディングエージェントを組み込み、AIを「補助ツール」ではなく「開発チームの一員」として運用する開発手法です。
2023年頃までのAI活用は、エディタ上でコードの続きを提案する「補完」が中心でした。2025年以降は、Claude Code や Cursor、GitHub Copilot のエージェント機能のように、AIが複数のファイルをまたいで設計・実装・テストまでを自律的に進められるようになり、開発の進め方そのものが変わりつつあります。
ポイントは、AIが「速く書く」だけではないことです。AIが画面やロジックを短時間で形にできるようになったため、「まず動くものを作り、触って、直す」という進め方が現実的なコストで可能になった——ここが、発注する側にとっての一番大きな変化です。
「AI受託開発」との違い
似た言葉に「AI受託開発」がありますが、こちらは一般に「AI(機械学習モデルや生成AI機能)を組み込んだシステムを外注で作ること」を指します。つまり、AIは作る対象です。一方のAI駆動開発は、作る対象が業務システムでもWebアプリでも、作り方にAIを使うことを指します。両者は両立するもので、AI駆動開発でAI機能付きのシステムを作る、というケースも当然あります。
従来の開発と何が変わるのか
従来のシステム開発(ウォーターフォール型の受託開発)は、おおむね次の順序で進みます。
- 要件定義:何を作るかを文章と図で定義する(数週間〜数か月)
- 設計:画面設計書・データベース設計書を作る
- 実装:エンジニアがコードを書く
- テスト:仕様どおり動くか確認する
- 納品:ここで初めて発注者が「動くもの」を触る
この進め方の弱点は、発注者が動くものを見るのが最後だということです。要件定義書という「文章」で完成形を約束するため、文章では伝わらなかった部分が納品時に「思っていたのと違う」として表面化します。その手戻りリスクは、あらかじめ見積もりに上乗せされます。「システム開発は高くて遅い」と言われる構造的な理由がここにあります。
AI駆動開発では、この順序が変わります。
- ヒアリング:業務の流れとゴールを聞く
- 動くモックの作成:AIを使って、実際に操作できる試作品を短期間で作る
- 仕様確定:モックを触りながら「ここはこうしたい」を反映し、仕様を固める
- 本開発:AIエージェントがコードを生成し、エンジニアが設計・レビュー・テストを担う
- 納品・運用改善:動く状態で随時共有しながら完成させ、納品後も改修を続ける
「動くものを見てから決める」に順序が変わることで、認識のズレは開発前に解消され、見積もりは確定した仕様に対して出せるようになります。
AI駆動開発のメリット
1. 開発期間が短くなる
コードの大部分をAIが生成するため、実装工程の時間が大きく圧縮されます。加えて、モック段階で仕様が固まっているので、実装中の「やっぱりこうしたい」による手戻りが減ります。axflowでは、ヒアリングから動くモックのお渡しまでを最短1〜2週間で行っています。
2. 費用を抑えやすい
システム開発費の大半は人件費(人月)です。AIが実装を担うことで必要な人月が減り、さらに手戻り分の上乗せが不要になるため、同じ要件でも従来の見積もりより抑えられるケースが多くなります。ただし「AIを使えば必ず半額になる」といった単純な話ではなく、規模・要件・既存システムとの連携の複雑さによって変わります。
3. 完成イメージのズレがなくなる
要件定義書を読んで想像するのではなく、動くモックを触って判断できます。社内の決裁者や現場の担当者にモックを見せて意見をもらえるので、「作ってから現場に使われない」というリスクも下げられます。
4. 納品後の改修も速い
システムは使い始めてから本当の要望が出てきます。AI駆動開発は改修も速いため、「直したいけれど費用と期間が気になる」という理由で放置されるシステムが減ります。
注意点と、開発会社を選ぶときの見極めポイント
AI駆動開発を掲げる会社は急増していますが、中身には差があります。発注前に確認したいポイントを整理します。
AIによる生産性の向上は一様ではありません。GitHub「Research: quantifying GitHub Copilot’s impact on developer productivity and happiness」では、特定のタスクをCopilot利用者が55%速く完了したと報告されています。一方でMETR「Measuring the Impact of Early-2025 AI on Experienced Open-Source Developer Productivity」では、経験豊富な開発者が自身のプロジェクトでAIツールを使った場合、平均で19%遅くなったという結果が示されました。Google Cloud DORA「Accelerate State of DevOps Report 2024」も、AI導入がデリバリーの安定性を下げうると指摘しています。「誰が、どの工程で、どう使うか」で結果が変わるため、ツール名ではなく開発会社の運用体制を確認することが重要です。
AIが書いたコードを、誰がどう確認しているか
AIは高速にコードを書きますが、設計の妥当性、セキュリティ、エッジケースの扱いは人が責任を持つ必要があります。「AIが書いたものをそのまま納品」では、速いが危ういシステムになります。レビュー・テスト・セキュリティ確認の体制を必ず確認してください。
「動くもの」を発注前に見せてくれるか
AI駆動開発の最大の利点は、動くモックを早く出せることです。それを発注前に(できれば無料で)見せてくれるかどうかは、その会社が本当にAIで開発を回せているかの分かりやすい指標になります。
自社で使っているか
受託案件だけでなく、自社プロダクトをAI駆動開発で作り、運用しているかどうか。自分たちの事業で使っている方法であれば、品質の基準も運用の勘所も実証されています。
機密情報の扱い
AIツールに業務データやソースコードを渡す以上、どのAIサービスを、どの契約(学習に使われない設定か等)で使っているかは確認事項です。必要に応じてローカルLLMを使う選択肢もあります。
AI駆動開発に向いている案件・向いていない案件
向いている案件:Excelやスプレッドシートで回している業務のシステム化、社内の申請・管理ツール、新規事業のMVP(最小限の製品)、顧客向けのWebアプリ、既存SaaS同士をつなぐ連携基盤など。画面と業務の流れが中心で、「触ってみないと分からない」要素が多いものほど、モック先行の効果が出ます。
慎重に進めるべき案件:人命や金銭に直結し、法規制や監査要件が厳しい領域、極端に高い性能要件があるシステムなど。AIを使わないという意味ではなく、レビューと検証の比重を大きく取る必要があるという意味です。
AI駆動開発で使われる主なツールと、それぞれの役割
「AIを使って開発する」と一口に言っても、使い方には段階があります。発注者がツール名を覚える必要はありませんが、開発会社が「どの段階のAI活用」をしているかは、スピードと品質に直結します。
各ツールの公式情報:Claude Code 公式ドキュメント、GitHub Copilot、Cursor。利用実態はStack Overflow「2025 Developer Survey: AI」が参考になります。
- コード補完(第1段階):GitHub Copilot に代表される、エディタ上でコードの続きを提案する使い方。エンジニアの入力が速くなりますが、進め方は従来と変わりません。
- 対話型の生成(第2段階):ChatGPT や Claude に仕様を伝えてコードを生成させ、エンジニアが組み込む使い方。部分的な生成には有効ですが、複数ファイルにまたがる変更は人が統合します。
- エージェント型(第3段階):Claude Code や Cursor のエージェント機能のように、AIがリポジトリ全体を把握し、設計・実装・テスト・修正を自律的に進める使い方。人は指示・レビュー・判断に回ります。「AI駆動開発」と呼べるのは主にこの段階です。
第3段階になると、AIに「この画面を追加して、既存の一覧と同じ見た目で、検索条件に担当者を足して」と伝えれば、関連するファイルの変更からテストコードの追加までがまとまって進みます。動くモックを1〜2週間で出せるのは、この段階のAI活用があってこそです。
実際の進み方のイメージ(社内の案件管理ツールの例)
イメージをつかんでいただくために、Excelで管理している案件一覧をシステム化する場合の流れを例にします。
- 1日目:ヒアリング。今使っているExcelの管理表を見せてもらい、誰がいつ入力し、誰が何を見て判断しているかを聞きます。「担当者が変わると履歴が追えない」「月末の集計に半日かかる」といった困りごとがここで出てきます。
- 2〜7日目:動くモックの作成。案件の登録・一覧・詳細・担当者別の絞り込み・月次集計を、ダミーデータで動く状態にします。
- 8〜10日目:現場で触ってもらう。「一覧の初期表示は自分の担当分だけにしたい」「ステータス変更は理由を残したい」など、Excelでは表現できなかった要望が出ます。
- 11〜14日目:反映して仕様確定・お見積り。反映後のモックが仕様になり、確定した内容に対して費用と期間を提示します。
- 本開発。認証・権限、データベース、既存ツールとの連携、性能・セキュリティなど、モックで省いた基盤部分を実装し、動く状態で随時共有しながら完成させます。
従来の進め方では、上記の「現場で触ってもらう」が納品後に起きていました。それを開発前に持ってくるのが、AI駆動開発の本質です。
axflowのAI駆動開発
axflowでは、初回ヒアリングの後、最短1〜2週間で実際に操作できるモックを無料で作成し、モックを触って仕様を確定してから本開発に進みます。料金はモック確定後に無料でお見積りするため、着手前に総額を把握できます。不動産売買プラットフォーム「KAITRY」、金融機関向けAI査定SaaS「KAITRY finance」など、自社事業のプロダクトも同じ方法で開発・運用しています。
詳しくは AI駆動開発のサービスページ をご覧ください。「こんなことはできる?」という段階からのご相談も歓迎です。
参考資料
- GitHub「Research: quantifying GitHub Copilot’s impact on developer productivity and happiness」
- METR「Measuring the Impact of Early-2025 AI on Experienced Open-Source Developer Productivity」
- Google Cloud DORA「Accelerate State of DevOps Report 2024」
- Stack Overflow「2025 Developer Survey: AI」
- Claude Code 公式ドキュメント
- 関連ページ:AI駆動開発(動くモックを最短1〜2週間で無料作成)/モック先行開発とは/システム開発の費用相場
よくある質問
AI駆動開発とノーコード開発は何が違いますか?
ノーコードは特定のツールの枠内で画面や処理を組み立てる方法で、ツールの制約を超える要件には対応しにくい面があります。AI駆動開発は通常のプログラムを生成するため、要件の自由度が高く、既存システムとの連携や独自ロジックにも対応できます。
AIが作ったシステムの保守は誰ができますか?
生成されるのは一般的な言語・フレームワークのコードなので、通常のエンジニアが読んで保守できます。設計書やコメントもAIで整備しやすく、属人化はむしろ減らせます。
小さな社内ツールでも依頼できますか?
できます。小規模な案件ほどモック先行の進め方が効き、短期間・低コストで形になります。
システム開発、まずは「動くモック」を見てから決めませんか?
axflowのAI駆動開発なら、最短1〜2週間で実際に操作できるモックを無料で作成。
仕様を確定してから本開発に進むので、速く・安く・認識のズレなく形にできます。
執筆者
株式会社property technologies - CTO(最高技術責任者)
前職では、クライアントのWEBサイトシステムの開発、社内のIT開発を経験した後、同社CTOに就任。マーケティングプラットフォーム開発に成功。
フリーランスに転じて企業のITコンサルティング、システム開発の請負等を行った後、2021年5月よりproperty technologiesグループ参画。
CTOとしてエンジニアを統括し、プラットフォーム開発や社内システム開発に従事。
ITコンサルティングおよびシステム開発の請負や、プラットフォーム開発や社内システムの設計・構築まで幅広く手がける。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」への出演をはじめ、メディアにも出演。
前職では、クライアントのWEBサイトシステムの開発、社内のIT開発を経験した後、同社CTOに就任。マーケティングプラットフォーム開発に成功。
フリーランスに転じて企業のITコンサルティング、システム開発の請負等を行った後、2021年5月よりproperty technologiesグループ参画。
CTOとしてエンジニアを統括し、プラットフォーム開発や社内システム開発に従事。
ITコンサルティングおよびシステム開発の請負や、プラットフォーム開発や社内システムの設計・構築まで幅広く手がける。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」への出演をはじめ、メディアにも出演。
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